事例紹介

事例に学ぶ事業承継

わたしたちがこれまでにお手伝いをさせていただいた事例のご紹介をします。

すれ違う現社長と後継者の思い


第三者によるコミュニケーション円滑化支援の重要性

業種 製造業 業務内容 電気部品組立・検査・ゴム製品卸
創業 昭和59年 従業員 4名
代表者年齢 66歳 地域 名古屋
資本金 5,000千円 売上高 57,160千円

すれ違う現社長と後継者の思い


第三者によるコミュニケーション円滑化支援の重要性

業種 製造業
業務内容 電気部品組立・検査・ゴム製品卸
創業 昭和59年
従業員 4名
代表者年齢 66歳
地域 名古屋
資本金 5,000千円
売上高 57,160千円

1.事業継承に至った経緯

当社は現社長が勤務先から独立開業したのがきっかけで昭和59年に創業(昭和63年法人化)しました。開業当初はゴム製品の卸売販売を行ってきたが、その後取引先からのニーズに応える形で事業内容を広げていき、今では組付・組立加工・検品がメインの事業となっています。
長男(38歳)が大学卒業後に入社して15年超になるが、日常業務はこなすものの後継者としての意識が低いと現社長は認識しています。一方でリーマンショック時の業績不振から回復しきれておらず、債務超過・借入金過大の状況もあり、それらの対策を商工会議所や愛知県事業引継ぎ支援センターに相談する中で当方への支援依頼となりました。

2.事業承継における現状

株式は現社長が100%保有していますが、債務超過のため株価はつかない見込みであり、個人所有の事業用不動産はありません。
後継者である長男は日常業務を十分にこなしてはいますが、当社の全業務を把握しているわけではなく、経営にも参画しておりません。勉強のために経営者クラブに入会しており活発に活動しているようですが、現社長しては後継者としての意識不足と経営の承継が進んでいないことに不安を抱えていらっしゃいます。

3.事業承継に係る課題とその対応策

(1)現社長・後継者の意識改革と後継者育成計画の策定
現社長の最大の悩みであった後継者の意識不足について、後継者本人の面談を実施したところ「いつかは父(現社長)の跡を継ぐことになるという認識はあるが、どのように引き継いでいったら良いのかわからない。日常業務で多忙な中で父の指示もよく変わるため(現社長からは臨機応変だ、という発言あり)順序よく取り組めない。」という事でした。また、現社長としては「自分はちゃんと指示・教育しているが、息子(後継者)が中途半端に取り組んでいるから身につかない。」という認識でお互いに食い違いが大きなものでした。
そこで、現社長・後継者を交えた面談により当社の事業内容・商品カテゴリーを整理し、次に各業務フローを明確にしたうえで現在の現社長・後継者・他従業員の役割分担を把握し、後継者に習得してほしい業務について優先順位をつけて整理しました。そしてそれらを月単位でスケジューリングし、日々の業務の中で一定の時間帯を確保してその教育・引継ぎを行うことになりました。上記内容の後継者育成計画を作成し、計画実行ペースの調整や実施ルールの設定を行い、現社長・後継者それぞれに意識していただくポイントをご理解いただきました。

(2)中期経営計画の策定
現社長のもう一つの悩みは当社の磨き上げでした。債務超過・借入金過大である現状を改善して後継者に引き継ぎたいという思いがあります。現状でも経営改善計画策定について、金融機関にほのめかされたり、経営コンサルタントに相談したりされていましたが、信用保証協会の経営診断・経営改善計画(自主計画)策定支援制度を活用することとなりました。経営診断は実施済みで経営課題が明確となったため、来年度はそれを踏まえた経営改善計画策定に移る予定です。その際に後継者も参加し、経営者としての意識・能力を育成していく予定です。

4.ブロックコーディネーターの所感

今回の支援を通じて、事業承継における最大の障害のひとつが「現社長と後継者の意識のズレ」であることを改めて認識することとなりました。これはどちらか一方が悪いという認識ではいつまでも解決できません。今回は業務の引継ぎが大きな要素でしたので、業務フローと役割分担の整理から始めましたが、ズレの種はどこにでもあります。限られた面談回数の中でそのズレを完全に解消できたわけではありませんが、いくつかのズレを解決する最初の一歩にはなったと思われます。まずは策定した後継者育成計画の実施を見守りたいと思います。

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