事例紹介

事例に学ぶ事業承継

わたしたちがこれまでにお手伝いをさせていただいた事例のご紹介をします。

バイタリティ溢れる、若手中核社員へのスムーズな承継へ。


円滑な従業員承継に向けた、課題整理と双方の意欲喚起

業種 電気工事業 業務内容 店舗向け電気設備・一般電気工事
創業 昭和21年 従業員 8人
代表者年齢 65歳 地域 尾張
資本金 1,000万円 売上高 190,000千円

バイタリティ溢れる、若手中核社員へのスムーズな承継へ。


円滑な従業員承継に向けた、課題整理と双方の意欲喚起

業種 電気工事業
業務内容 店舗向け電気設備・一般電気工事
創業 昭和21年
従業員 8人
代表者年齢 65歳
地域 尾張
資本金 1,000万円
売上高 190,000千円

1.事業継承に至った経緯

長らく地元尾張地域で電気工事業を営んできた当社。法人・店舗向けの電気工事ならびに地元住民等へのサービスに力を入れて経営してきました。現経営者は先代である父(すでに死去)から事業を承継し、長らく頑張ってきましたが、自身の子息は別企業に勤め、家業を承継する見込みがありません。そんな中、従業員の中で懸命に奮闘する若手中核社員(以下、後継候補)が、今後の承継に向け意欲を示し、「今後は彼を中心に会社を盛り立ててもらいたい」と現経営者はじめ、古参社員も言葉に出さないまでも感じるようになってきました。
しかしながら、その中で大きな問題が横たわっていました。それは、「経営の承継のみならず、スムーズな財産承継をいかに進めればよいのだろうか」ということでした。現状、仕事そのものは後継候補を中心に切り盛りできるようになってきたものの、財務状況においては「過去からの未精算負債」、経営資源においては「個人所有の事業用資産」と存在しており、自社株式の承継も含めて、現経営陣一族からのスムーズな承継について頭を悩ませるものがありました。また、後継候補においては、「意欲としては当社を継いで盛り立てていきたいものの、既存事業がこのまま順調に展開できるのだろうか」と逡巡する気持ちが芽生え…。両者にとって、非常に悩ましいところでありました。
悩ましいところは多々あるものの、「意欲溢れる後継候補の悩みに応え、スムーズな経営と財産承継の後押しとなる課題整理をしよう」と、愛知県事業引継ぎ支援センターからのアドバイスも後押しとなって、当事業ネットワークの門戸をたたきました。

2.事業承継における現状

株主は、現経営者家族がそれぞれに保有しています。また、事業用資産においては本社底地や社屋一部が個人保有しており、過去から残る未払金夫妻が現経営者家族にあるため、合計すると約数千万円単位にものぼります。従業員承継となると、これらが一手に「現経営陣に対する債務」として残り、仮に債務免除となると、「多額の納税リスク」として顕在化する状況でした。

3.事業承継に係る課題とその対応策

スムーズな財産承継と、経営承継後に係る中期的経営計画の双方についてバランスよく検証できることが重要です。当ネットワークでは、双方に対応が可能な中小企業診断士を専門家として招聘し、リスクの洗い出し・対策案の検討を行いました。

(1)「今まで育てた事業を、今後も大切に継承していくこと」を根幹にした、財産承継に
かかる方針の策定
とかく、財産承継を優先させると、承継者と非承継者において「利益の相反」が起こりかねません。そのため、まずは事業承継の根幹にかかる方針を、両者の中で意思確認し、具体的な策定に入りました。
1. 自社株式の低廉化や未払債務の一部免除など、「後継候補に、できるだけ過度に負担がかからない状況」にしたうえで、財産承継を進めていきます。
2. 上記1.が円滑に進まない場合には、最悪「第三者へのM&A」も視野に入れます。(ただし、その際には後継候補の「退職リスク」があることを念頭に入れる)

(2)今後の中期経営計画達成の「鍵」を設定し、経営者としての覚悟を磨く
中期経営計画というと、ひとくちに「何を、いつ、どのようにやって、結果いくら稼ぎたいか?」を包括的に描く部分が多いですが、まず大切なことは「なにが今後の成長の鍵か?」を洞察することにあります。その部分を専門家とともに見定め、形にしていきました。
1. 当事業における最大の鍵は、「能力ある人材の確保」に他ならない。事業維持・成長に必要な人員目標を定め、その確保に向けたスキームを固めるとともに、支援機関の紹介も含めた、「後継候補主体による推進目標」を明確化させました。
2. 後継候補が、今後経営者としてスキルアップを図るために必要な要素を専門家に評価いただき、その研鑽に適した、当機構での「後継者育成塾」や人的ネットワークの紹介、その他スキルアップ手法の説明を行いました。

4.ブロックコーディネーターの所感

 今回は、「意欲溢れる若手中核社員」といった後継候補が存在したために、支援が進んでいった事例といえますが、今後は「親族の内外を問わず、承継意思を示す人材がいない」案件は加速度的に高まる恐れは想像に難くありません。当事業者間では双方に理解があるため、比較的スムーズに事が運んだことからも、以降は愛知県事業引継ぎ支援センターはじめ、各種支援機関の下順調に進んでいくものと思われます。我々の立場としては、「潜在的ニーズの顕在化」を改めて各支援機関にアピールすべきと考える事例となりました。

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