事例紹介
事例に学ぶ事業承継
わたしたちがこれまでにお手伝いをさせていただいた事例のご紹介をします。
派遣された中小企業診断士等と顧問税理士の連携により、計画策定により「やるべきこと」が明確になった。 |
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業種 | 卸小売業 | 業務内容 | 食料品 |
創業 | 昭和24年9月 | 従業員 | 20人(パート従業員含む) |
代表者年齢 | 75歳 | 地域 | 東三河 |
資本金 | 5,000千円 | 売上高 | 280,000千円 |
派遣された中小企業診断士等と顧問税理士の連携により、計画策定により「やるべきこと」が明確になった。 |
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業種 | 卸小売業 | ||
業務内容 | 食料品 | ||
創業 | 昭和24年9月 | ||
従業員 | 20人(パート従業員含む) | ||
代表者年齢 | 75歳 | ||
地域 | 東三河 | ||
資本金 | 5,000千円 | ||
売上高 | 280,000千円 |
1.事業継承に至った経緯
終戦直の混乱期に創業し、祖父から3代続く老舗企業。現会長は、自身が父から承継し
た際に創業者である父との関係に苦労した経験から、自身が承継する時は息子に同様の
思いをさせたくないとの思いから、社長を譲ってからは経営に口を出さず側面サポート
に徹して経営を支えてきました。
既に後継者である息子に社長を交代し自らは会長に就任していますが、株式の移転が完了しておらず、事業用資産も一部が個人所有となっていることから、専門家の力を借りて事業承継計画を策定することとしました。
2.事業承継における現状
父が以前から事業承継に関心持ち対応を進めていたことから、事業承継を積極的に進めており、数年前に後継者に社長を譲り、後継者が中心となって様々な業種、業態とのコラボレーションや新商品開発にも意欲的に取り組んでいます。しかしながら、後継者の経営者としての数値把握やプロモーション戦略について、十分とは言えない状況でした。
3.事業承継に係る課題とその対応策
(1)株式の移転について
事業承継に関心を持ち計画的、定期的に後継者への株式集中を進め、現在は父30%、母30%、後継者40%となっていますが、長男の持ち株比率を徐々に高めています。
今回の事業承継計画の策定を通じ、急な相続発生時におけるトラブル回避の観点から顧
問税理士と専門家として派遣された中小企業診断士らと協議した結果、後継者が株式の
過半数を取得するまで移転のピッチを早めることとしました。
(2)事業用資産の取り扱いについて
本社の敷地が父親の個人所有となっており、会社から父に賃料を支払っています。
相続時のトラブル回避の観点から買い取るなど会社所有にすることが無難ですが、新た
な設備投資案件も検討中であることから、暫くは個人所有のままとすることとしました。
ただし、万一のことを考えて遺言書を作成する予定となっております。
(3)個人貸付金の取り扱いについて
会社から一定金額を返済しており、2~3年のスパンで完済する予定です。バランスシートの改善を急ぐのであれば、貸付金債権を放棄していただくことも検討さしましたが、大きな債務もないことから税金面を考慮し当面約定返済を進めることとしました。
(4)経営計画について
現在後継者が取り組んでいる、コレボレーションによる新商品開発や販路開拓について中小企業診断士を中心にターゲットの明確化を図り、販売先ごとの数値目標を織り込んだ中期経営計画を策定したことで後継者の行動計画が具体化しました。中期経営計画の策定にメインバンクを巻き込んだことも有意義でした。
4.ブロックコーディネーターの所感
4 ブロックコーディネーターの所感
事業のバトンを渡す父親が、自身が苦労した経験から事業承継に前向きに取り組んでみえたことが最大の成功要因であると考えます。次に、後継者に事業意欲が有り、専門家のアドバイスに前向きに取り組もうとする姿勢を持ってみえることです。後継者が経営に前向きに取り組む意欲が持てるのは、父が細かいことに口出しをせずに後継者に任せてみえることが大きいと感じられます。
バトンを渡す側と受け取る側の理解のもと中小企業診断士、顧問税理士、金融機関が一体となって取り組んだ成功事例であると思われます。